=Ryouのコースガイド= (10)        


  

 金峰山(奥秩父/黒平からの水晶峠越え)   H9 7/19  
  
  
  御岳林道から水晶峠を越えて昔の登山道を歩いてきました。誰もいない静か な山旅でした。ビデオカメラで動植物や鉱物を追いながらの散策ですのでややゆっ くりです。
                           
    
▲八ヶ岳            ▲金峰山 2595m 
                    
               御室小屋 
                   [水晶峠]
[大弛峠]    ▲国師岳 
  峰越林道 
 
 
 
              造林記念碑 奥御岳林道 
                    御岳林道 
                  
                上黒平(伝丈橋) 
         金桜神社/夫婦木神社:昇仙峡
                   : 
                 敷島  
                   ・・甲府====
  乙女鉱山  

                
   荒川林道  
野猿谷林道 
 
  
  
===相模湖==(相模原)==新宿



(行程)         H9 7月19日(金)   単独   MTB使用  

 6:10 上黒平の伝丈橋から御岳林道をMTBで出発
 6:50 MTBデポ 山道(藪)に入る
 8:08 造林小屋   
 9:33 水晶峠
10:12 御堂小屋  
10:44 坊主様の露岩  
12:20 金峰山頂  
14:16 御堂小屋  
16:13 造林小屋  
17:21 MTBデポ地点
17:35 伝丈橋の車へ戻る



(記録)

 甲府の敷島から昇仙峡は迂回して直接金桜神社へ。すぐ下の夫婦木神社から 御岳林道(野猿谷林道は通行不能)で黒平へ。5:15に野猿谷林道との合流 点へ出た。黒平の部落はちょっと開けた台地に「花豆」を作っている。
 荒川林道分岐(乙女高原牧丘方面)で案内板の地図を読み、木賊峠に向かって少し上ると上黒平だ。伝丈橋で小さな谷を渡ったところに広い駐車スペース があり、開けて眺めがよいが誰もいない。
 先月購入した台湾製の折り畳み26インチ6段変速のMTBもどきが意外と 山でも使える。場所をとらないのでいつでもワゴンの片隅に積んでおける。昔使っていた20インチの折り畳み自転車は山では苦しかった。
 用意をととのえ川に沿って左岸を走るが割石が多く道が荒れていて走りにくい。水流による深いみぞに落ちないように軟弱な砂にのめり込まないように登る。左の山腹の20年くらいになるカラ松の林が立ち枯れているのが異様だ。
 40分ほどで小さな道標識があり金峰山へは左の草むらを指している。草を 踏みしめ5分も登ると防火線の切り開きに出た。30mくらいの幅の草むらに はいたるところにワラビが顔を出していた。10分ほどで小高い尾根にたどり着くが、ここからの草むらは露に濡れたちまち膝から下がぐっしょりとぬれそ ぼってしまった。スパッツはつけてはいても靴の中にも水がたまってくる。
 金峰山がちらっと見えたが・・・あまりにも遠い。見えない方が気が楽だ。やがて右からの防火線を乗り越す。もう8時も近い、造林の記念碑のあたりかなと思ってはいたのだが・・・、雑草の中を横に歩いているだけで一向に高度がかせげない(高度計は1700mを指している)。
 笹藪の中に小川があったので食事をすませた。造林の碑は8:10でやっと 迂回してくる奥御岳林道に飛び出したが、すぐに向かいの笹原に入る。1800 mあたりをずっとずっとカラ松林の中の笹原だ。先行者の跡がまったく見られ ない。草はのび放題で葉がひとつもよれていない。
 やがてせばまった所に倒木があり道が消えてしまった。右が谷だから左から 高まくのかと左の尾根にとりついたが、これは失敗だった。もどって沢に下る と赤布が対岸の小沢を示していた。
 小沢から左の山肌を斜めに進むと二股となり、正面に赤布をつけた大木が倒 れている。正面の尾根に取り付き一旦左の沢に下る。このあたりでは水も苔も 草も生き生きとして美しい。
 水晶峠9:33。しばらく下って小沢を左に登るが道が分かりにい、どうやら水の流れの中が道らしい。押し出した土砂のために天井川のようになっているようだ。右へ乗り越した先には大きな川があるのだが水はなく巨岩がごろごろしているだけで味気ない。
 100mほど河原をたどると右へ峰越え林道への道標とケルンがある。ふり仰ぐと樹間に五丈岩が見えている。次のケルンで右に曲がるとやがて御堂小屋の平地に飛び出す。昔、金峰登山の本道だったころはこのあたりが賑わっていたのだろう、裏手に字のかすれた碑がオダマキの花に囲まれていた。小屋はもう使用の限界を過ぎていて、床のすき間からは30センチくらい草が顔をのぞかせていた。
 甲府市の「ネズコの林」という標識が左手にある。すぐ上が片手まわしの一枚岩の難所だ、濡れているときは危険だが、鎖が3本かかっていることに感謝する。露岩の間を行くことになるが、見かけほど上下はなく道は上手に岩をまいてくれている。
 道は造林帯と違いはっきりしてきたが、ハシゴなどは腐っており注意しないと危険である。桟のとれ釘に足をかけてそっと渡る。しゃくなげが花をつけているが絢爛というのではなく、ひっそりと咲いている感じだ。森林限界から露岩の間を登るのは楽しい、五丈岩が次第に近づいてくる。
 五丈岩の下で食事。カニパンの袋が大きく膨らんでいた。12:20山頂。100人からの登山者で大賑わいだ。残念ながら霧の間に麓は見えるが八ヶ岳などの遠望はきかなかった。
 帰路、水晶峠で水晶のカケラを求めて1時間ほど散策する(武田の金山跡にも出かけています)。カラ松林の中の笹原は切り株が熊に見えてくるほど静か だった。やがて篠竹のような丈の高い笹が一面に枯れている不思議なところを通るが、まわりの熊笹は生き生きとしているのが対照的だった。
 16:03造林小屋から御岳林道を歩くことにする。草の生えている林道は歩いても気持ちがよい。道の中にウドが生えているので先の若芽を摘むと、芳香 が漂う。ウド ウド ウド 長い林道歩きも終わりに近くなるころ、きれいに 整地されたモミの造林地が続く。
 17:21自転車にまたがり10分ほどで一気に車へ戻る、この最後の山下りの快感がMTBを手放せない。明日は富士見からMTBで八ヶ岳の西岳の林道を走り編笠山にもまわろう。できたら、先月に釜無山から白岩山へ向かったとき見かけた雨乞山の西面にのびている林道にも登ってみたい・・・
  



 // Photo // 
 



車は足まわりを少し強化してある
 唐松が立ち枯れしている
   たぬき掘りの跡がある


唐松の林が枯れたのは病虫害によるものか、林道切り開きによってマント群落が失われたためかは不明


 



  川の中が道らしい
  五丈岩が近くなってきた
     御室の小屋


土砂の押し出しで天井川のようになっている地点の先には水のない広い河床がある。御室の小屋は荒れていて使う気にはなれない。


  



    小屋裏の碑
 片手まわしの一枚岩の難所
   岩場が連続する?


 







 ハシゴにはあまり頼れない
 森林限界にくればあと1時間
 アカヤマドリ茸ではなさそう


  



  




  膨らんだカニパンの袋
 金峰山頂は賑わっていた
 シャクナゲにはちょっと遅い


   


ここからは帰り道です 

   



 甲府市の標識だけは立派だ
      ネズコ
  色とりどりの苔が美しい


  



  




 水晶峠下部の植林帯の道跡
うんざりするくらい笹が生えている
 イチヤクソウが花をつけている


  



  



 篠竹(?)だけが枯れている
 きれいに刈り払われた造林地
  奥御岳林道はフラットだ

 植物はある期間を経ると世代交代や、他の植物との交代をすることで環境の悪化を防ぐのだろう。白樺などの林が他の植生に変化して行くのはむしろ自然であり必要なことらしい。蓼科山あたりの縞枯れ現象は自己保存の一つの方法だろうか。