=ryouの踏み跡= 03−13
深沢渓谷を下る(旧高峰温泉の谷道) 佐久のバリエーション
小諸の糠地と水石の間から東部町との境界の尾根に取り付き三方ケ峰を目指した。同じ籔道を下ることは辛いので遠回りにはなるが旧高峰温泉のあった深沢の谷を下ることにした。前日、高峰温泉に問い合わせたところ、このところ登山者は通っていないが通れないことはないだろうが、子連れの熊がウロついているから注意して欲しいとのこと。
下図のAのルート
(日時と行程) 2003年 6月6日(金) 晴 単独
@取り付き(7:28)−一ノ城戸(8:31)−ニノ城戸(9:08)−清水(9:58)−三方ケ峰(10:42) 3時間1 4分
A三方ケ峰(10:54)−池の平−ウサギ平−高峰温泉(12:12) 1時間18分
高峰温泉(12:15)−温泉の源泉(12:31)−あさぎり橋跡(13:08)−林道(13:16)−取り付き点(14:39) 2時間24分
登ってきた籔道を考えると遠くても高峰温泉経由で帰ろうと決心し、池ノ平のまだ萌えはじめたばかりの湿原を抜けて兎平で車道に出た。週日で車の通りもまれなので歩きながら食事をする。大昔はヤナギランの群生していた地点も車道が拡幅されて消えていた。もともとヤナギランは切り払われた日当たりの良い場所に育成する。だから近年は車坂峠付近のスキー場に群生地ができたわけだ。
兎平からは1時間足らずで高峰温泉についた。JRのバスが待っている。すぐ手前に深沢渓谷の案内板があり、一帯の詳細な地図が描かれているのでカメラに収めた。谷へ向かうと山の神が祀られており、すぐ下で宿舎からの広い(?)道と合した。旧の温泉まではかなりの旧坂を下ることになる。イモムシのようなバルーンタイヤの6輪(?)くらいの・・極地の輸送車のような車で客や荷物を送迎していたこともあった・・などと懐かしい想いでの道をたどる。
荒れた道を谷間に下りつくと右手に源泉があった。ここからは谷川を渡り返しながら下っていくと新しい源泉が掘られていた。ここまでは工事の特殊車両がなんとか下ってくるのだろう。100mほど下ったろうか、西に回りこんだ高峰温泉の跡地には倉庫が一つ。あたりの庭園は籔に覆われてはいるが、そこここにヤマツツジが咲き、シャクナゲが顔をのぞかせているさまはいかにも侘しい。湿地化した流れの間にはクレソンが生い茂り、サクラソウが赤い花をのぞかせている。湿地を抜けて左岸に渡り返すと踏み跡はしっかりとしてきた。熊に出会わないようにと鈴と大きな空き缶の鳴子にラジオと賑やかに下っていく。やがて、右手に滝と赤いガレを見る。左手に高い崖が迫ると道は開けた河原に下って流れを渡渉する。
ここがあさぎり橋跡だ。向かいにはネンボウ岩が虚空を指して高く聳える。岩に向かって階段が延びているので歩みを進めたが踏み跡は上流へと向かっていた。誤りに気づいて河原まで戻ると、なんと川に沿うように茂みの間に道があった。山の斜面をゆるくどんどん下っていく。川と離れ山あいに入ると荒れた車道となる。左の川に向かうのだろうか道が2つ分岐していた。分岐には高峰渓谷遊歩道の消えかけたような案内板があった。消滅した放開口への登道もまだ記載されていた。左手の木の間に農場のビニールハウスの連なりを見ながら平坦な道を下る。やがて、菱野からの林道浅間線との十字路となるが、たどっている道は手前で閉鎖、右(西)に向かう林道も20mほどで閉鎖されていた。
左下はるかに深沢ダムがあるらしい。その東はゴルフ場らしく人声もかすかに聞こえてくる。ダムからの舗装道路と合してを右に回りこむとイノシシ除けの柵などをしつらえた広い畑地がある。ここで働いている方に数日前、付近の山などの情報を教えていただいたところだ。靴に入った小石や枯れ枝を取り出して一休みする。ここからから畑の北を上の林道に向かうコースがあるはずだが・・疲れが気力を削いでしまった。坦々とした舗装道路をギャラリー天耕房などの案内を見ながら下って車に戻った。
車へ向かう途中で通りすがりに家の横で犬が鳴いた。上の畑で情報をいただいた方が連れていた犬だ気づいたので、車で戻り犬のいるお宅に声をかけた。紛れもなくM氏宅だった。御礼の挨拶をしてから帰ろうとすると畑で取れた言って、小豆を大きくしたようなマメと花マメとをお土産に戴いた。花マメはさっそく畑に播いたが、標高が1000mはないと実がつかないかもしれないと友人に言われた。あの赤い花なら花を見ているだけでも楽しいだろう。これからは花マメの生育状況をときどきメールでお知らせしようと考えている。